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介護援助タイプのリハビリ
従来日本では「リハビリ」とは、脳卒中で入院した患者さんに対して病院の訓練室で行うトレーニングを意味していました。
今でも訪問マッサージが行うリハビリという言葉をリハビリではないと否定される医師も実際にいらっしゃいます。
しかし、最近のリハビリは、その技術の進歩やリハビリテーションそのものの考え方が身体、精神、社会、職業、趣味、教育の諸側面の潜在能力を十分発展させることとして、とらえられるようになり、広い概念の一部としての言葉として用いられています。
脳卒中・骨折タイプのリハビリも自宅で受けられるようになり、国をあげて加齢タイプのリハビリとともに力をいれています。

そんな中で今まで決して光を当てられず人知れず行われていたリハビリがあります。それが、この「介護援助タイプ」のリハビリ、つまり「寝たきりのリハビリ」です。
いわゆる訪問看護ステーションの訪問先の約6割が要介護4、5です。つまり、在宅でのリハビリの数多くが「介護援助タイプ」なのです。
このタイプの特徴は、@床ずれ等の医療処置が多い、A機能的な回復はあまり望めない、B介護者との関係が大切、Cご本人の尊厳を重視する、などの従来のリハビリの概念の枠では対応できないものです。
具体的なリハビリ内容は、その原因疾患にかかわらず、拘縮予防や、残存する機能を維持し、在宅生活を苦痛なくすごしていけるよう援助することを目的としています。
オムツ替えを容易にするためのヒップアップや股関節の拘縮予防が代表例となり、それらの維持リハビリを根気強くやることが大切になってきます。
また身体機能だけではなく、安心感を与え、家族関係が円滑になるような精神的サポートも必要とされます。
ラクエル訪問マッサージでは、このリハビリのことを「尊厳のリハビリ」と呼んでいます。
