加齢タイプのリハビリ
人は誰でも、長生きして、心身ともに元気でいたいと思っているものですが、それが、思うようにいかないのが、生物であるという事実です。
現在の日本は世界一の長寿国であり、世界一の高齢国でもあります。
そうした背景とともに、この「加齢タイプ」のリハビリが注目されています。
加齢タイプとは、A,廃用症候群、B,変形性関節症、C,認知症などのいわゆる、老化に伴って生じ、活動度を低下させるものをいいます。このタイプの特徴の一つは、脳卒中・骨折タイプのようにアクシデントの内容がはっきりしないことです。
例えば、気分が悪いからとご自分の足で病院に行き2週間絶対安静で寝ていたら、そのまま寝たきりになってしまったなどの話をよく聞きます。

しかし、よく調べてみると活動度は直線的に低下するのではなく、ちょっとしたきっかけで低下しています。これも、加齢タイプの特徴ともいえます。
このちょっとしたきっかけは実にたくさんの種類があり、人に教えるほどは痛くない痛みや、風邪や疲れ、気分の落ち込みなど、ありとあらゆることが原因となっており、うっかりすると見逃してしまいます。
これを見逃さないようにするには、日常から患者さんの話をよく聞くことが大切です。
このタイプのリハビリのポイントはなんといっても、活動度の低下していく変化に早期に的確に気づき、通常のリハビリより訪問回数などを増やして少し強化して対応するということです。

また意欲がないことも特徴の一つなので、意欲をいかに引き出すかという点も腕の見せどころとなります。
例えば、ラクエル訪問マッサージでは患者さんのお話しを上手に引き出す方法など、いくつかの意欲を引き出すスキルをもっています。
その第一に、患者さんと同じ目線になることを心がけています。
決して上から目線の指示ではなく、患者さんから教わるという立場を大切にしています。
もちろん、「夜中に足がつったときは、どうすればいいの?」などの具体的に医学的ご質問をされたときも「まず、つま先を掴み、足のうらとふくらはぎの後ろの筋肉を伸ばしてください。無理に伸ばすと肉離れになってしまう場合もあるので、やさしくゆっくりと伸ばすのがポイントです。」と決して教わるばかりではなく、具体的なアドバイスもしながら信頼関係を築き上げていくということも大切にしています。
前回の施術時間に何をお話しされたか、そういったことを覚えておくことも患者さんにとっては、自分のことを認識していると思ってくれて意欲にもつながっていきます。
患者さんの意欲は、加齢タイプのリハビリには大事なエッセンスの一つともいえます。
