関節拘縮とは③
熱心に寝たきりの患者さん(要介護5)の介護をされている方から、寝ている姿勢について質問されました。
「おばあちゃんの膝が曲がっているため、かかとがベッドにすれて痛がるからという理由で、両膝の下に枕を入れて膝をわざと曲げるようにしていました。このようにすると、ますます膝の拘縮が進んで、膝が伸びなくなってしまうとおもうのですが、どうでしょうか?」
ご指摘のとおり、よくある介護上のまちがいです。このやり方ではますます膝や股関節の拘縮を進ませてしまい、患者さんにとっても、介護者にとっても負担が増大してしまいます。
正しい方法は、膝下ではなく、ふくらはぎの下に枕を入れることです。この方法だと、かかとも浮きますし、ご自分の膝の重さを利用して、膝と股関節のストレッチング効果も得られ、少しずつ拘縮が改善していきます。
さらに、一歩進める場合は、拘縮を改善したい膝を温かい蒸しタオルなどで温めたあとで、米袋やお味噌の袋などをタオルにつつんで、5~10分程度膝の上にのせると効果がでてきます。
これにより「膝を伸ばした方がいい」ということが介護者にも伝わり、正しい介護法を身につけてもらえます。

また、ラクエル訪問マッサージでは関節拘縮の進行を防ぐ施術を行っております。
一般に拘縮のできはじめている関節を動かすと、鋭い痛み反応を伴うことが多く、関節拘縮のリハビリマッサージは痛いというふうに誤解されがちです。
しかし実際は関節拘縮自体の痛みは少なく、その少ない痛みから誘発される防御反応であることが多いといわれています。
具体的な関節拘縮に対するアプローチは、まずは関節をほぐすためにホットパックなどで温めてから、痛みの少ない範囲で少しずつ動かしてみるとよいでしょう。
これを繰り返すことで、最初にあった痛み反応も少なくなってくることが実感できます。

この施術をやる場合に患者さんが力を入れてしまい抵抗することもあります。
これは、ラクエル訪問マッサージの実際の現場でのお話しですが、リラックスしてもらうために、患者さんの耳元で
「♪~たんたんタヌキの金〇は、風もないのにブウラブラ」と歌ったことがあります。
それを聞いた患者さんはあまりのくだらなさで、大笑い。
ゲラゲラ笑った患者さんの力が抜け抵抗感がなくなり膝の関節拘縮の運動がスムーズにいったこともあります。
ラクエル訪問マッサージの現場は明るく施術するのも特徴です。
ぜひ、ご利用をお考え下さい。
