坐骨神経痛D
坐骨神経痛は、自己管理が大切といわれています。
腰痛は2足歩行の人間の宿命ともいわれますが、腰椎の病気が原因で起こる坐骨神経痛も同じです。
その治療もまた、腰痛と同じように、腰に負担をかけないことが、もっとも重要で効果的なのです。
坐骨神経痛は、上手に自己管理ができれば、症状は軽減します。
そのために、覚えておきたいことは、2つあります。
正常な脊柱のアライメント(配列)を保つことと、馬尾や神経根を圧迫しないように生活の工夫をすることです。
背骨は、横からみたとき自然なS字状カーブを保っている状態がベストです。
このS字状カーブがあるおかげで、私たちは、体のバランスをうまくとって自由に運動したり、体に加わる衝撃をやわらげたりすることができます。
ところが、S字状カーブがくずれていると、体重や運動による負荷が大きくなり、腰椎に負担がかかって、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアといった病気が起こりやすくなるのです。
立つ、座る、歩く、荷物を持つといった日常的な動作の際に、正しい姿勢を保つことで、腰椎の負担が軽くなり、神経の圧迫も軽減して、坐骨神経痛がやわらぎます。
肥満の人は、減量して腰の負担を減らすことも大切です。
馬尾や神経根を圧迫しない生活とは、痛みが増すような動作を避けて暮らすことです。腰部脊柱管狭窄症の人は腰をそらす動作を、腰椎椎間板ヘルニアの人は腰を前に曲げる、前かがみの動作をできるだけ避けましょう。
馬尾や神経根が圧迫されると、その部分がむくみ、血流がわるくなります。
長い期間そのような状態が続けば、神経の働きが低下してしまいます。
痛みの増す動作を避け、脊椎を支えている靭帯や筋肉の緊張をやわらげ血行をよくするマッサージや体操を行うことが坐骨神経痛治療の基本となります。