- 住宅ローン減税
- エコカー減税の見直し
- 固定資産税と繰越欠損金
- 人材確保等促進税制と所得拡大促進税制の見直し
- 子育て助成の非課税措置と教育資金の一括贈与非課税措置
- 住宅取得等とセルフメディケーション税制
- デジタル化脱炭素税制改正とカーボンニュートラルDX
- 押印業務見直し等
新型コロナウイルス感染拡大に伴う負担軽減に関する税制改正
住宅ローン減税の特別措置 改正・延長
ポイント
- ●控除期間を13年とする特別措置の入居期限を2022年12月末まで延長
- ●控除対象年の所得制限を設けたうえで、家屋の床面積要件を緩和
概要:住宅ローン減税は、4,000万円(認定住宅の新築などの場合は5,000万円)上限に年末の釈入残高の1%を所得税額から控除する仕組みです。
2019年10月の消費税増税に伴い、消費税率10%で家屋を取得する場合は控除期間が10年間から13年間に延長になりました。
今回の改正では、この控除期間13年の特例措置について、景気に配慮する形で入居期限が改正前は2020年12月末でしたが、2022年12月末までに延長されました。ただし契約期限は注文住宅の場合は2021年9月末、分譲住宅等については2021年11月末までです。
なお、改正前においてもコロナ禍の影響で入居が遅れた場合、2021年までに入居するなどの一定条件を満たせば同じ特例を認める措置がとられていましたが、これも2022年に12月末まで延長されています。
さらに、夫婦だけや単身の世帯が増えるなど家族・家庭のあり方の変容も加味し、対象となる家屋の床面積要件が「50m²以上」から「40m²以上」に緩和されました。ただし40m²以上50m²未満の家屋について控除できるのは合計所得金額が1,000万円以下の年に限られています。

要件 | 改正前 | 改正後 |
入居期限 | 2020年12月末までの入居が対象 *コロナ禍で入居が遅れた場合、2021年までの入居も対象(2020年の一定日までの契約 |
2022年12月末までの入居が対象(2021年の一定日までの契約) |
床面積 | 50m²以上 | 40m²以上 |
所得制限 | 合計所得金額3,000万円以下 | 50m²以上は合計署名活動3,000万円以下 40m²以上50m²未満は合計所得金額1,000万円以下 |
コロナ禍により都心から郊外への移住や広い一戸建てへの住みかえのニーズも増えています。今回の改正では、控除を受ける年の合計所得金額が1000万円以下という制限を設けたうえで、床面積40m²以上50m²未満の家屋も対象になります。今後も高所得者の税制強化の流れは続くと予測され長期スタンスで老後を踏まえたライフプランニングが必要と考えられます。
また、低金利時代のもと、住宅ローン減税の控除率である1%を下回る住宅ローン金利が多くなっていることから、政策の趣旨に合わないという問題も指摘されています。適度な恩恵の是正に向け、控除率1%を上限に支払利息分までとする改正案も浮上しています。次の税制改正で何らかの修正がされるものと注目されており、動向の注意が必要です。
