変形性膝関節症A 関節軟骨T
関節軟骨は骨の表面を覆っているごく薄い組織です。
骨は硬くて表面がザラザラしているので、もし骨と骨が直に接していたら、衝撃が強いうえ、とうていなめらかに動かすことができません。
軟骨というと骨の一種のようですが、その組成はかなり違います。
骨を硬くする成分であるカルシウムが、関節軟骨には含まれていません。
関節軟骨はプロテオグリカンというたんぱく質の一種でできていて、この成分が弾力性をもたらしています。
タイヤのゴムくらいの弾力性があるため、ジャンプしたり走ったりしても、衝撃を逃すことができるのです。

また関節軟骨は骨と違い、表面がとてもなめらかです。
摩擦係数でいうと、関節軟骨同士は0.05〜0.02程度です。氷同士が0.1、ガラス同士が0.9ですから、関節軟骨の表面がいかになめらかであることがわかります。
弾力性となめらかさが関節の機能を維持しているのです。
変形性膝関節症は、骨の病気だと思っている人が多いですが、骨ではなく関節軟骨が悪くなる病気です。
すり減る原因は、はっきりしていませんが「使いすぎ」は原因ではないようです。
膝に大きな負担をかけるマラソンやサッカー選手だった人が、60歳以上になったとき、変形性膝関節症を多く発症しているかというと、そうではないのです。
むしろ、運動不足が関節軟骨を不健康にしているようです。
軟骨は骨とは違い、傷ついたり、すり減ったりしても、再び細胞が増えて元に戻ることはありません。
だからこそ、まずは、関節軟骨のことをよく知るということが大切になってきます。
