変形性膝関節症B 関節軟骨U
関節軟骨のことをもう少しお伝えします。
血液は骨の真ん中にある骨髄でつくられます。したがって、骨にはたくさんの血管が集まっていて、豊富な血液を通して栄養や酸素が供給されます。
ですから、万一、骨折などで傷ついたとしても、修復・再生されます。
一方、関節軟骨には血管が通っていません。そのため、いったん傷つくと、骨のように修復・再生されることはありません。
しかし、軟骨は関節をとりまいている袋状の組織(関節包)の中を満たしている関節液から栄養や酸素を吸収します。
関節軟骨に含まれるプロテオグリカンは、関節の表面を覆うヌルヌルとした粘り気のある液体状のものに含まれています。この物質は、関節に力がかかるとしみ出します。
ひざだけでなく体中の関節で、力がかかるたびに関節軟骨からしみ出し、力が抜けるたびにしみ込みます。こうすることで、関節の潤滑剤になると同時に、関節液から関節軟骨に栄養や酸素を届けます。

つまり、関節軟骨の健康のためには、関節に力をかけて動かすことが重要なのです。
もともと、体の重さを支える組織である骨は、動かして負荷をかけないでいると、どんどん萎縮していきます。これは、靭帯や筋肉も同様です。
関節を動かさないでいると、最終的には軟骨がとけて、関節の骨同士がくっつき、靭帯や筋肉もやせて弾力のないスジに変わってしまいます。
こうなってしまうと、骨もスカスカになり動かすことができなくなります。
ひざの健康のためには、歩行や運動法は、大切な動作なのです。
