介護と家計

認知症と法定後見制度と家計とB

太田さんが調べを進めると、長岡さんの収入は、夫の遺族年金と長岡さん自身の老齢年金で、月額約14万円。対して、医療費の自己負担分や食事代、おむつ代などで、病院への支払いが月額15万円程度になること以外は情報はありません。
いずれにしても、通帳に記載された預貯金の残高は500円以下で、年金から入院費などを支払っているものの、それでは足りず、滞納額が100万円を超えたと推測されます。

自宅についても調べると、土地は借地であることがわかり、地主に会いに行くと、地代も滞納していることが判明しました。さらに、夫の死亡保険金約100万円が未請求であることや夫名義の預金口座約5000円も未手続のままとなっていることがわかりました。受任から1カ月で以上の内容を家裁に報告した後、太田さんは問題の解決にあたりました。

長岡さんの問題点と解決方法

問題点 解決方法
入院費の滞納
(約100万円)
病院の「医療費減免申請」で過去の滞納分は全額免除に。
また医療費も月15万円から約5万円に減免
自宅の地代の滞納 「成年被後見人の居住用不動産の処分の許下申立」で借地権を売却し、1800万円で現金化(うち50%の900万円は子ども3名で分配。残り900万円が手元に残る)
夫死亡時の保険と預金 成年後見人として「遺産分割協議書」を作成し、預金口座を解約。保険金約100万円を受領

医療費や入院費については、病院のソーシャルワーカーに相談し、病院独自の減免制度があることがわかり、申請することにしました。重度の精神疾患があることなどから、申請が認められ、100万円以上の滞納分がすべて免除されました。
さらに自治体にも、精神障害者等への医療費助成があることがわかり、これを申請。以後の長岡さんの医療費は月額約5万円を超える分が助成されることになりました。
自治体の助成制度などは積極的に情報収集しないと気付かないケースもありますし、制度があることを知っていても、誰かが申請しなければ利用できません。病状などによっては本人が申請することは不可能なので、家族や成年後見人などが情報を集め、支援することが求められます。

自宅については、借地権を売却することにしました。長岡さんが自宅療養に切り替える可能性はありませんし、3人の子供たちにも持ち家があり、実家を維持する必要はないからです。子ども3人の同意を得た後、家裁の許可を得て、不動産会社に売却を依頼。仲介手数料や地代の滞納分などを清算後、1800万円が残りました。長岡さんが2分の1、残りを子ども3人で分配しています。

生命保険の未請求分も太田さんが請求しました。保険会社からは、支払い事由の発生から3年が経過しているため、時効により、保険金は支払われないと言われましたが長岡さんが請求手続きを行うことができなかったことを説明して、支払いを受けることができました。
夫名義の預金口座解約のために必要な遺産分割協議書を、子どもたちの協力を得たうえで作成し、保険金とあわせて約100万円を長岡さんが受け取りました。

入院費の滞納問題と、隠れていた地代の滞納が解消されたうえ、借地権の売却で得た約900万円と、夫の死亡保険金等で、長岡さんには約1000万円の資産ができたわけです。
今後の医療費も含む生活費も、年金額の範囲で賄うことができ、年間収支は100万円ほどプラスです。
その後、毎月1回程度、長岡さんを訪ね、病院への支払いも太田さんが行っています。理容や身体を傷つけないための装具の購入などについても、病院から成年後見人に打診されます。日常生活に関しては決定権はありませんが、長岡さんが快適に過ごすために長岡さん自身の財産を有効利用できるわけです。

成年後見人の役割は重要であり、上手に活用できればいいと思います。

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