- 骨粗鬆症(骨の不思議な魅力)①
- 骨粗鬆症(甘くみないで)②
- 骨粗鬆症(圧迫骨折)③
- 骨粗鬆症(骨折しやすい部位)④
- 骨粗鬆症(要因)⑤
- 骨粗鬆症(骨への知識)⑥
- 骨粗鬆症(食事のポイント)⑦
- 骨粗鬆症(食事のポイント2)⑧
- 骨粗鬆症(予防運動)⑨
- 骨粗鬆症(予防運動)⑩
骨粗鬆症(骨への知識)⑥
人間の骨は、生まれた日から最後の日まで、ずっと新陳代謝を繰り返します。
日々、古い骨を溶かして新しい骨を作っているわけです。
たとえると、鉄骨やセメントを日々少しずつ入れかえて新しく作っている高層ビルのようなものです。
栄養は骨を作る材料で、ビルの建材のようなものです。そして、ビルを作る建設会社の人や建設機械があっても鉄骨やセメントがなければビルは建ちません。
骨においても、骨芽細胞がいくらがんばっても、タンパク質やカルシウムがなければ新たな骨はできません。
しかも、血液中のカルシウムが少ないと、血液中のカルシウム濃度を保つために骨が溶かされ、積極的に骨が弱くなっていきます。
そのあたりのメカニズムを知っておくことは大切です。
ビタミンDやビタミンKは、骨の材料ではありませんが、骨を強くするためにはとても重要です。
そして、骨には運動も重要です。
「体重が多い人は骨密度が高い」「宇宙飛行士は骨が急激に弱くなる」「脳梗塞などの病気で動かなくなった手足は骨折が多い」といった事実があります。
これらの例に共通するのは「力がかかると骨は強くなり、力がかからないと骨は弱くなる」という法則です。
ちなみにこの法則はウォルフの法則といわれ、骨にとっての黄金律です。
骨の中には、骨細胞という細胞が埋まっています。これは骨芽細胞が骨を作っていって骨に埋まってしまって静かにしている細胞です。
実は、この骨細胞が骨にかかる力や衝撃などを感知していることがわかっています。 骨に力がかかると、それを感知した骨細胞から骨の表面の骨芽細胞に信号が伝えられ、骨芽細胞はせっせと骨を作るようになります。 力がかからなくなると、もういいよ、という信号が骨細胞から骨芽細胞に伝わります。 すると骨芽細胞は骨を作るのをお休みします。 。
重力も筋肉の力も、骨にかかる衝撃も、すべて骨を強くします。 強い力がかかるほど、骨は強くなろうとします。 したがって、運動もできるだけ速く歩いたり走ったりする方がよくできるだけ重いものを持ったり、できるだけ強い衝撃を加えるほうが骨は強くなります。 ただ、いきなりそんなことをしたら、筋肉や関節を痛めたり、場合によっては骨折したりしかねません。
徐々に速く、重く、強くしていくことが大切です。 2週間くらい頑張れば、運動することが楽になってきて、楽しくなります。 もっと、続ければ、強い骨、強い筋肉があなたを迎えてくれます。
