むくみB
さて、リンパ浮腫にご理解いただいたところで、ご自分でできるリンパマッサージについてご説明します。
ラクエル訪問マッサージなどの訪問マッサージのサービスをご利用される場合には、マッサージの強さや感覚を身につけるのがおすすめです。
リンパマッサージは、機能が低下したリンパ節への経路を通らずに、脇道をつくり、ほかの健康なリンパ管に向けてリンパ液を誘導するように行います。
右乳がんの患者さんの場合、右の腋窩(えきか・・・わきの下)リンパ節の機能が低下し、そこからリンパ液がからだの深部にながれていかないようなら、左の腋窩リンパ節と右鼠径(そけい・・・足の付け根)リンパ節に向かって誘導します。力をいれずにやさしくやさしく、さすって少しずつリンパ液を横にずらしていくイメージです。
手指のポイントと動かし方
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手指のポイント
1.手指、手のひらを皮膚に当て、軽く1回の動作は1秒以上かけてゆっくりやさしく皮膚を動かす。
2.強く揉むと炎症が起きる場合がある。
3.軽くやさしく皮膚を動かすだけでリンパ液は流れる。
4.特に気になる浮腫の部位および周辺は念入りに行うが、強く揉むのではなく回数を増やすようにする。
5.炎症があるときは行わない。
6.決して先を急いで行わないで、できるだけ時間をかけて行うと効果が上がる。
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手指の動かし方
@ 広い面
手のひらと指全部を使って、大きな円を描く。
A 溝やくぼみ
指を1本あるいは2〜3本使って、小さな円を描く。
B 手首から肘まで
腕を軽く握って外側向きのらせん状に回転させる。
C お尻
両手の手のひらと指全部を使い、お尻から腰骨のほうに引き上げる。
腕のリンパマッサージの流れ
準備
1.肩の後ろ回し(10回)。
2.鎖骨の上のくぼみに手を当て、回す。
3.腹部のマッサージ。
☆全体を時計回りにやさしくさする(2〜3回)。
☆左右のわき腹に手を当て、おへそに向かって引き寄せる(10回)。
☆腹式呼吸(5回)。
体側のリンパマッサージ
4.浮腫側の足のつけ根(リンパ節)に手を当て、回す(20回)。
5.浮腫側のわきの下から体側(胸部・腹部)を通り、浮腫側の足のつけ根まで軽くさする(10回)。
6.浮腫のない側のわきの下に手を当て、回す(20回)。
7.浮腫側の肩から前胸部を通り浮腫のない側のわきの下まで軽くさする(10回)。
腕のリンパマッサージ
8.浮腫のある腕のリンパマッサージ
@ 肩の前・背面を上に向かってさする(5〜10回)。
A 上腕の外側をひじから肩まで上に向かってさする(5〜10回)。
B 上腕の前面を内側から、外側の上方に向かってさする(5〜10回)。
C 上腕の後ろ面を内側から、外側の上方に向かってさする(5〜10回)。
D ひじの内側(くぼみ)を上に向かって、次にひじを上に向かってさする(10回)。
E 前腕(前・後ろ面)を手首からひじまで、上に向かってさする(5〜10回)。
F 手(手の甲・手のひら)、指を上に向かってさする(5〜10回)。
9.4〜8の順とは逆に8(F〜@の順)から4まで戻りながらマッサージする。
わかりにくい方は、ぜひラクエル訪問マッサージをご利用ください。