- 高血圧症(降圧薬を飲まずに)@
- 高血圧症(血管の老化)A
- 高血圧症(ストレス)B
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- 高血圧症(接待ゴルフ)D
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高血圧症(血管の老化)A
血圧とは、そもそも何のことを指しているのでしょう?
そう、心臓から送り出された血液が血管壁を内側から押す力のことをさしています。
血圧を決めるのは、血液の量(心拍出量)と血液の流れにくさ(抹消血管抵抗)です。私たちの全身には、血管が張り巡らされていてすべての血管をつないだ長さは成人で約10万qにもなります。
その血管の中を血液が流れて、酸素や栄養を臓器や組織に届けるとともに、老廃物を回収しています。
健康維持のためには血液が適切な量と速さで流れることが大切ですが、「年齢、体質、生活習慣」などが原因でバランスが崩れると血圧が上がってしまいます。
血圧が高いと何がいけないかというと、血管を内側から押す力が強すぎるために血管に負担がかかることです。
血管は「外膜、中幕、内膜」
の3層構造になっており、血液と接する内膜には「内皮細胞」があります。この内皮細胞が、血管のしなやかさ、つまり若々しさを保つカギを握っています。
内皮細胞からは、「一酸化窒素」などさまざまな物質が分泌されており、血管を広げて血液を促したり、血液が凝集して血栓ができるのを防いだりしています。
しかし、塩分のとりすぎや喫煙などの血管に悪い生活習慣によって血圧が上がり、内皮細胞が傷つくと、一酸化窒素などが十分に分泌されなくなり、血管はしなやかさを失って硬くなっていきます。
心臓から送り出された血液が血管の中を流れるとき、血管壁には強い衝撃が加わりますが、血管がしなやかであればその衝撃を吸収できます。
しかし、血管が固くなると、衝撃を吸収できないために強い圧力が加わり、血管壁はもろくなり傷ついていきます。
この状態を「動脈硬化」といいます。
動脈硬化には、血管が硬くなるタイプのほかに、血管壁にコレストロールのかたまり(アテローム)ができて厚くなるタイプもあります。
血管の内腔が狭くなったところ血液が流れるため、さらに血圧は上昇します。
動脈硬化が進行すると、血管が破れたり、つまったりして、脳卒中や心筋梗塞の合併症をまねきやすくなります。
動脈硬化を加速させる病名として、糖尿病や脂質異常症などがあげられます。
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が多い状態が続く病気です。
食事から摂取した糖質は体内でブドウ糖になりますが、そのブドウ糖の処理に関わるのが膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。
インスリンの分泌や働きが低下すると、高血糖の状態が続き、全身の血管の内皮細胞が傷つきやすくなって動脈硬化が進行します。
脂質異常症とは、血液中の脂質のバランスが崩れている状態です。
コレストロールや中性脂肪などの脂質は血液中に溶け込めないため、LDLやHDLなどの粒子に含まれて血液中を流れています。
コレストロールが増えるとコレストロールを全身に運ぶLDLが増加し、増えすぎたLDLは血管壁の傷から入り込み、アデロームを形成します。
そのため、血管の内腔が狭くなり、血液が悪化する粥状動脈硬化になります。
こういったことの現状を知っておくためにも、「血圧脈波検査」が行われており、何歳程度の状態に相当するか、わかりやすい指標で示されます。
血管年齢の変化に一喜一憂する必要はありませんが、血管年齢が明らかに若返れば治療のはげみにもなります。
気になる方は、受けてみてもいいかもしれません。