- 高血圧症(降圧薬を飲まずに)@
- 高血圧症(血管の老化)A
- 高血圧症(ストレス)B
- 高血圧症(一次性、二次性)C
- 高血圧症(接待ゴルフ)D
- 高血圧症(血圧サージ)E
- 高血圧症(血圧サージ)F
- 高血圧症(降圧ツボ)G
高血圧症(ストレス)B
「過労死」がマスコミなどで取り上げられるようになってからずいぶんたちます。
過労死の原因としては脳出血やくも膜下出血など、脳卒中が半数を占めており、続いて心筋梗塞や狭心症といった心臓疾患も少なくありません。
日本では脳卒中による死亡は減少傾向にあるにもかかわらず、大変残念なことです。
これらの大きな原因の一つが高血圧です。たとえば、脳卒中のリスクは至適血圧(してきけつあつ)がもっとも多く、そこから上昇するにつれ、リスクは高くなります。
心臓疾患についても同様です。
働き盛り世代の血圧にとって、特に深刻なのはストレスの影響です。ストレスがかかると交感神経が緊張して心拍出量(流れる血液の量)が増加し、末梢血管が収縮するために、血圧が上がりやすくなります。
昨今の不況もあって、職場のストレスの度合いは高くなっていることが予測されます。リストラの不安や人間関係、慣れない仕事などもストレスになります。
またサービス残業などで労働時間が長くなり、睡眠時間が短くなると、これも交感神経を緊張させ、血圧を上げてしまいます。
ストレスと生活習慣は密接な関係があります。
ストレス解消のために、喫煙の習慣をやめられないことや、アルコールのとりすぎも考えられます。
さらに忙しい働き盛りの世代では、時間がないために食生活の改善に意識を向けにくかったり、運動する機会もあまりもてなかったり、といった状況があります。
まだ、そんな年齢ではないからと血圧が高くても治療をせずにほうっておく人も多いことでしょう。
しかし、高血圧は自覚症状がないだけに、気が付いたときには深刻な病気がいつおこってもおかしくない状況になってしまう可能性があるのです。
こうした働き盛りの世代に脳卒中や心臓疾患が発症して過労死をすることや、幸い一命をとりとめても重い後遺症に苦しむことはたいへん痛ましいことです。
また、一般的に男性と比較すると、女性の血圧は低い傾向にあります。
これは、女性ホルモンに血管の収縮や老化を防いだり、水分やナトリウムの放出を促したりする働きがあるからです。
しかし、更年期で閉経し、女性ホルモンの分泌が減少すると、血圧は上がりやすくなります。
それに加え、更年期以降は肥満になりやすく、それも高血圧のリスクになるのです。
実際の調査によれば女性の高血圧は50代から急激に増えはじめ、60代以降では半数の女性が高血圧になっています。
更年期もそうですが、若いうちから血圧をあげないための生活習慣に関心をもっていただきたいと思います。