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コロナ禍のライフプランニング⑤
暮らしとお金 生活困窮と学生支援①
新型コロナウイルスの影響で保護者の収入が激減。国の緊急支援や大学による独自の支援状況、今後の方向性について
新型コロナウイルス感染症拡大で、学業の継続が厳しさを増した状況から、国は2020年に「学生の”学びの支援“緊急パッケージ」として各種の支援策を打ち出している。
学生への緊急対応措置として行われたのは、「学生支援緊急給付金」です。
学生支援緊急給付金の概要
対象 | 大学(大学院を含む)・短大・高専・専門学校・日本語教育機関の学生(留学生を含む) 家庭から自立してアルバイト収入により学費等を賄っている学生等で、 今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりその収入が大幅減少等することにより、 大学等での修学継続が困難になっている人 |
支給金額 | 住民税非課税世帯の学生…20万円 上記以外の学生…10万円 |
申請先 | 各学校の担当窓口(すでに募集は終了) |
対象となるのはアルバイト収入によって学費などを賄っており、新型コロナによる収入減で学業の継続が困難になった学生で、支給額は10万円(住民税非課税世帯の学生は20万円)となっています。
大学を通じて日本学生支援機構への申し込みが必要で、機構は2020年10月15日現在で、大学などから約41万6600人の推薦を受け、給付が行われました。
また、大学に対しては、「新型コロナウイルス感染症対策助成事業」が行われました。
機構が寄付金を活用して申請のあった大学に資金を給付するもので、機構によると、3450校から合計で約17億円の申請があり、マスクや消毒液の購入費用、教科書や参考書の購入費用として、学生に金銭やプリペイドカードを支給したケースが多かったといいます。

さらに、進学意欲があれば家庭の経済状況にかかわらず、進学のチャンスを確保できるよう、2020年4月から「高等教育の修学支援新制度」もスタートしています。同制度は住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生に対し、対象となる大学、短期大学、専門学校等の入学金と授業料を減免し、併せて奨学金を給付するものです。減免や給付の額は学校の区分や通学形態によって異なり、家族構成に応じた所得基準に基づき定められた上限額か、上限額の3分の2まで、同3分の1までとなります。
支援を受けるためには、通常は予約採用か在学採用で定められた期間内に申請するが、新型コロナの影響で家計が急変した場合は、家計急変後の収入見込みにより、随時申請することもできます。
例えば、大学在学中なら、以降の授業料が減免され、住民税非課税世帯で私立大学に自宅外から通学する場合、月7万5800円が給付されます。
低所得層世帯の学生にも学びの機会を広げる制度ですが、入学金と授業料が減免されても、学校納付金には施設設備費、実験実習費なども必要なことが多く、進学前の教育資金プランニングでは家庭ごとにどの程度の自己負担が必要か正確に把握しておくことがよいとされています。

機構でも、給付奨学金の支給を受けるには、学業成績などの基準を満たしている必要があり、成績が悪かったり、出席不足などで基準を満たさない場合は、支給の打ち切りや返還を求められることもあり、家計急変によって支援の対象となったときは、原則として3か月ことに支援内容が見直され、一定以上の収入を得ている場合には、途中で支給額が変わったり、支給が停止されることもあります。
給付奨学金と併せて、機構の貸与奨学金を利用する場合には、第一種(無利子)奨学金の貸与月額が制限されることも知っておくといいです。
また、機構では、貸与型の奨学金についての対応措置を行っています。在学採用に加え、新型コロナによる家計急変での申請は、急変後の収入見込みで審査を行い、随時採用を行います。
当初は2020年7月まで、アルバイト収入が大幅に減少した学生などに実質無利子で貸付を行う緊急特別無利子貸与型奨学金の募集をしましたが、再募集を行い2021年1~3月末まで支援しました。

さらに、新型コロナの影響による内定取り消しなどで2021年度も大学などに在籍する学生については、第二種(有利子)奨学金の貸与期間を最大1年間延長します。また、大学などを休学してボランティア活動に参加するなど、学びの複線化を理由に休学する学生などに対しては、特例として第二種奨学金の貸与を休止せず、最大1年間継続する制度を設け、いずれの場合も、新規申し込みを可能としました。そのほか、過去に奨学金を利用し、卒業した人の中には、予定通りの返還が困難なケースもあります。機構の奨学金については、もともと、経済困難や失業などで返還が困難になった場合に返還期限の猶予や減額返還の申請ができます。それに、加え、コロナ禍においては、すでに返還期限猶予制度を上限の10年(120か月)を取得している人についても、緊急的にさらに12か月を限度に返還期限猶予の申請が認められるようになりました。
機構によると、奨学金申請についての照会のみならず、経営不振、廃業、倒産、出社困難などでの減収により、返還期限猶予制度および減額返還制度などの適用可否などについての問い合わせが増えているようです。
