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コロナ禍のライフプランニング⑥
暮らしとお金 生活困窮と学生支援②
学生も救済の署名活動などを展開。大学独自の支援制度は全国で広がった
新型コロナウイルス感染症拡大で登校ができなくなった2020年度前半には、学生自身からも支援を求める声が上がりました。
2020年春以降、学校は封鎖、授業はオンラインになり、アルバイトもままならずに生活費に支障をきたす学生が増え、地方出身の新入生の中にはアパートの契約をしたものの、登校できないため転居せず、空家賃を払い続けたケースもありました。
そんな中、受けられるべき教育サービスを受けられないとの理由で授業料の減免などを求める声が高まり、署名活動などが行われました。
コロナ禍は多くの学生に影響を与えたため、学生たちの声は一気に広がった印象です。
その結果、2020年4月半ばに1校目、次いで有名私立大学が支援金の給付を発表したことを機に、5月中旬にかけて次々と大学独自の支援策が打ち出されたようです。

文部科学省の「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」によると、授業料の納付猶予を行った大学等は全体の98%以上、授業料の納付猶予を行った大学等も約72%にのぼります。
さらに、86%以上の大学等が、学生独自の支援措置を実施しています。独自の支援策では、一律または経済的困難にある学生に現金やプリペイドカードなどを給付した大学等が約65%、奨学金の貸与が約32%、物品の支援が約49%となっています。
オンライン授業を行うにあたり、大学が想定している以上に、パソコンやタブレットを所有していない学生が多く、在宅での通信環境も貧弱でした。そのため、授業を受けるための環境整備として5万~10万円程度を支給したり、パソコンやWi-Fiルーターなどを貸与したりする動きが多くみられました。

大学独自の支援の例
大学 | 分類 | 内容 |
私立大学 | 支援金 | 7遠隔授業に移行するにあたり、環境整備のため全学部生に5万円を給付 遠隔授業に移行するにあたり、環境整備のため全学部生に10万円を給付 |
国立大学 | 自宅外に居住し、各種の給付型奨学金の支援を受けていない学生に3万円を給付 特に影響を受けた新入生に10万円を給付 |
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私立大学 | 直近2か月間の世帯収入が前年より40%以上減少した場合、40万円を給付 | |
私立大学 | 授業料の減免 | 家計が急変し、学生納付金の納入が困難な学生に授業料の1/2を減免 家計が急変し、就学困難となった学生に授業料約23万円を減免 |
貸与型奨学金 | アルバイト収入などが減った学生に無利子で貸与。3万円から年間授業料担当まで。卒業後、給与所得者なら年収階級別世帯数400万円など、一定の所得に達してから返済 | |
物品の貸与 | 遠隔授業を受ける環境が整わない学生に対し、ノートパソコンやWi-Fiルーターを貸与 | |
その他 | アルバイト収入が減った学生などに米や野菜を配布、配布を行う学生アルバイトも採用 |
これは、大学独自の支援の例ですが、国立大でも給付が行われたほか、私立大では、直近2か月の世帯収入が前年より40%以上減少した場合に40万円を給付した例や、授業料の2分の1を減免した例などがあります。
ほかにも、学内の作業を手伝う学生を募ってアルバイト代を支払ったり、地元企業などに協力を求めて、食品などを配布したりした大学もありました。
文科省は専門学校についても同様の調査を行っており、94%の専門学校で授業料の納付猶予を実施していることがわかりました。
46%の専門学校が独自の支援措置を行い、その内容は、支援金給付が約15%、貸与が13%、物品支援が約28%となっています。
こうした大学独自の支援や対策により、学生の学ぶ機会は維持されたのでしょうか。